「相続した空き家が火災保険に加入できない…」という問題を考える

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知っていますか? 空き家と火災保険の問題

 空き家となった実家を相続された方と話題になることが多い【空き家と火災保険の問題】について,よくあるお話をまとめてみました。

 知っていましたか?【空き家は火災保険に加入しにくい】ということを。

相続した実家
空き家を相続した場合などに注意

 

POINT

1

【始まり】「そういえば実家の火災保険ってどうなってるの…?」

 遺産分割協議が終わり相続に伴う不動産の所有権移転登記も終えしばらくの時が経ってから,あるいは台風や豪雨の被害を目にしてから,「そういえば相続した家(空き家)の火災保険はどうなってたか?」となる方が多いのではないでしょうか。

 相続が発生し実家の所有者が変更になった場合は火災保険の契約者・被保険者の変更が必要です。

 「相続の登記の義務化」については以前より各所で周知がなされていたこともありますが,同じように火災保険の名義も相続に伴い名義変更が必要となります。

 そしてその際に空き家となった実家が同じ火災保険に加入できないと聞き,「えっ?火災保険に入れないの?」となることは少なくないのではないでしょうか?

POINT

2

【問題点】火災保険に加入できない場合はどうなる?


まず,「空き家が火災保険に加入できない」という場合はどのような問題点が挙げられるでしょうか?

火災保険に加入できない場合の問題点

  • 火災・落雷・風災などの災害時に自費修繕
  • 空き巣などの盗難被害の際に補償が受けられない
  • 水災などの災害時に自費修繕
  • 地震保険に加入できない

 火災保険に加入していない場合は,漏電による火災空き家に対する放火周辺からのもらい火などによる火災の場合に補償を受けられずに自費で修繕することとなります。
 
 また,近年強さが増している台風や竜巻等の風災による損害等も同様に自費で修繕することとなります。また,空き家の場合に気を付けなければならないのは,維持・管理に手が回っていないため,台風の際など被害が拡大しやすい点です。

 「盗難は関係ない。空き家なので何も大切なものは置いていない」という方も多いかもしれません。
 
 しかし,空き巣が家屋に入るために割った窓ガラス・玄関や室内物色中に破損した建具等は,盗難被害付きの火災保険に加入していれば,補償の対象となる場合があります。
 
※盗難被害は火災保険契約のオプションの場合が多い。

 近年激甚化することの多い豪雨による水害の際など,火災保険に水災のオプションを付けておけば補償が受けられる場合があります。しかし,火災保険に加入できなければ自費で修繕することとなります。

 ※水災も火災保険契約のオプションの場合が多い。

 知っていますか?地震保険は火災保険とセットでなければ加入できません

 火災保険の引き受け手となる保険会社の側から考えた場合,次のようなことが挙げられるのではないでしょうか?

 ・空き家となり誰も住まなくなった家,とりわけ木造家屋などはあっという間に老朽化していき,老朽化した家屋は災害時に被害が拡大しやすい。

 ・人が居住していない家は,災害時の予防・応急措置などが行われにくいので被害が拡大しやすい。

 ・居住していない家は災害の発生時点が不明確になりやすい

 

POINT

3

【対策】なにか対策はあるか?

では,空き家が火災保険が加入できない場合はどのように対策を考えればよいでしょうか?

空き家が火災保険に加入できない場合の対策

  • すべて承知の上で火災保険に加入しない
  • 「一般物件」として火災保険に加入する
  • 自分で居住用として利用する
  • 賃貸物件として貸し出す
  • その他(解体更地にする・売却する等)

 すべてのリスクを承知の上で「火災保険に加入しない」という選択肢はあります。
 一定数の方の支持があるのではないでしょうか。

 じつは,上記の火災保険は居住用の「住宅物件」のお話しです。その他の「一般物件」として火災保険に加入するという方法があります。

 ただし,一般物件の場合は火災保険の保険料は高くなる傾向にあります。

 本末転倒かもしれませんがご自分が居住用として利用する場合には当然ながら「住宅物件」となり住宅用の火災保険は利用できます。

 空き家を賃貸物件として貸し出す場合は賃貸住宅向けの火災保険に加入することとなります。

 その他,解体して更地にする・売却するなどの選択肢があります。

 やはりいつまでも空き家としてはいられず,活用等の出口は考えないとならないかもしれませんね。

POINT

4

【実例FAQ】空き家と火災保険の問題で実務でよくあるお話

【空き家と火災保険の問題】で実務でよくあるFAQを記載します。

 すべて実務の事例のため解決策が見つかる場合もあるのではないでしょうか…

「…別荘は火災保険に加入できないのでしょうか?」

別荘など季節的に住居として利用され,家財が備え付けられている建物については住宅物件として火災保険に加入できる場合があります。

※詳しくは各保険会社にご確認ください。

「転勤等の理由で一時的に空き家になっている場合」はどうなのでしょうか?

住居のみに使用している場合は,住宅物件として火災保険に加入できるのではないでしょうか。

※詳しくは各保険会社に必ずご確認ください。

一般物件の場合は地震保険に加入できますか?

一般物件は地震保険に加入できません。

亡くなった父母(被相続人)が火災保険に加入していたのでそののままにしておけば,火災保険は継続できるのではないのでしょうか?

保険会社へは相続があった事実をお伝えしなければなりません。

相続した実家(空き家)の火災保険を選ぶならどうしますか?

各保険会社により「火災保険の加入が可能か?」などの条件が異なります。必ず保険会社にご確認ください。

空き家と言っても,区分マンションと木造などの戸建で考え方は変わりませんか?

おっしゃるとおりです。築年数や立地環境にもよりますが区分マンションと木造の戸建では災害に対するリスクは異なりそうですね(事実,火災保険料が違います)

「最近よく聞く民泊をやってみるというのはどう?」

民泊などは用途地域など民泊施設を営業できるエリアなどがありますのでご注意ください。

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