【違約金】…悪い印象ですか?誤解されがちな違約金について説明します

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違約金と聞いたら「何かあったら大金を取られるのでは…」

違約金と聞くと「怖い…」「何かあったら大金を取られるのでは…?」という方が多いかもしれません。

しかし,この違約金,売主・買主を縛るための罰ではありません。

知ってましたか?違約金は売主・買主を守るためにあるということを。

この記事を読むと違約金のイメージは変わるかもしれません。ぜひ,ご一読を。

要点まとめ:違約金

時間がない方は要点だけチェック!

  • 違約金とは・・・トラブル防止のためのルール。原則損害賠償額の予定(契約違反時に請求できる損害賠償額はこの額と決めておくこと) 
  • 違約金を定めるメリット・・・①違約時の上限額を設定できるので安心②違約により訴訟になった際の実際の損害額を立証する負担の軽減 
  • 違約金の相場・・・売買代金の10~20%が多い(宅建業者が売主の場合は20%まで)
  • 手付金・手付解除や融資利用による解除とは関係なし

FAQ:実務でよくある「違約金」についての質問と答え

「違約金を支払う」という事態が発生するのは稀です。

それゆえ,不動産の担当者も違約金について勘違いして説明していたり,説明を受ける方も「まあ関係ないかな…」とスルーする場合も多く‥知っておいて損はない部分ですよ。

違約金について間違えて説明されてるケース

不動産新人

ご安心ください!
契約をしても違約金を支払えば契約を解除できます!

不動産先輩

(絶対に手付金と違約金を同じものだと思ってお客様に説明しているでしょ…)

(違約金が発生する事態は稀なのでなんとかなるかも…)

「違約金」と「手付金」の違いは何ですか?

違約金は,原則として,売買契約成立後に①決済期日が来ても残代金の支払いがない場合や売買物件の引渡しがない場合(履行遅滞),②売買物件の引き渡しが不能になってしまった場合(履行不能)や,あるいは③契約で違約金を約定した事項に該当した場合などに,支払う損害賠償額を予定したものです。

手付金売買契約の時に売主へ交付する金銭です。多くの場合が①売買契約で定められた期日まであるいは②「売買契約の相手方が履行に着手するまで」①②のどちらか早い方までは手付解除ができると定められています。

住宅ローンを利用して不動産を購入します。銀行から住宅ローンの許可が下りなかった場合は違約金を支払わなければいけないのですか?

売買契約で定めた内容によりますが,「〇月〇日までに住宅ローンの承認が得られなかった場合にはこの売買契約は解除され,手付金などの金銭は返金される」などを約束した条項(いわゆるローン条項・融資解除の特約)が契約書に定められている場合は,融資許可が得られなかった場合の解除には違約金は発生しないのではないでしょうか。

※ただし,売買契約書で期日までに融資審査に必要な書類を準備し金融機関に提出するなどの義務を定めている場合がありますのでご注意ください。

損害賠償額が違約金の額を超えた場合にはどうなるのですか?

大きく分けると次のように3つのケースがあります。

1)契約不適合責任について売買契約で約定した場合・・・契約不適合責任と違約金は別の話となります。
2)「違約金の定めとは別で損害賠償を請求できる」と売買契約で約定した場合・・・違約金とは別に損害賠償額を請求できます。
3)上記ではないケース・・・違約金の額となります

※2)のケースは売買契約書に文言があるはずですので,ご確認ください。

※故意に物件を壊した場合や契約の相手方を詐欺・脅迫した場合など,およそ通常ではありえないケースは除いてお考えください。

違約金を支払う場合はどのような場合が考えられますか?

売主側と買主側で異なります。

売主側は「期日が来ても売買物件の引渡しをできない(しない)」場合です。

買主側は「期日が来ても残代金の支払いがない」場合です。

以上が代表的な事例です。

現実に違約金を支払ったケースを直接に経験したことはありますか?

弊社及び執筆者自身が仲介・自社売買取引で直接経験したことはありません。

現に伺ったのは次のようなものがあります。

・ライフラインの引込みがなされていない土地の購入のケース。
数百m先から引込みを行わなければならないことを承知して重要事項説明を受け売買契約。その後に引き込み費用の見積もりを取ったら高額であり売買契約を手付解除しようとしたが手付解除期限を超えていた。残代金支払い時期も超えたため違約となり,違約金(売買代金の20%)を支払った。

詳しく:違約金と売買契約の解除について

違約金について詳しく説明します。

違約金を定めることが売主・買主の身を守る?

不動産のような高額な売買契約において違約金を定めておくことは,売主・買主お互いにとって,いざという時に身を守るというメリットがあることです。

というのは,違約金は原則として損害賠償額の予定となるからです。

損害賠償額の予定って何?

ところでこの「損害賠償額の予定」とは何のことでしょうか?

知るためには具体例を見るのが一番です。

不動産のような高額な売買について「損害賠償額を予定」しておかない場合はどのようになるか?

次のケースで考えてみてください。

もしも違約金が定められなかったら… (買主が違約の場合)

実務でよくある不動産の売買の事例を基に「もしも買主が違約をしたら…」を記載します。

・・あなたが売主だったら,なんと主張しますか?

買主が違約:1億円のマンションの売買契約

4月1日:つぎのような内容で売買契約

  • マンションの売買価格は1億円
  • 買主は手付金として1千万円を売主に交付
  • 5月31日に残代金9千万円を支払い,マンションは売主から買主に引き渡される約束
  • 売主は居住中のこのマンションを売却した1億円を基に,別の2億円のマンションを購入して住み替える計画を伝えている

4月15日:売主は住み替えのために別の2億円のマンションの売買契約。その後,5月31日の引渡しに間に合うように引っ越しを行う。

5月31日:買主の残代金の支払いがない・・

(はたして,売主が被った損害の額はいくらになるのでしょうか・・)

売主の立場だったら

  • 売買契約した2億円のマンションの損害はどうするんだ!
  • 引っ越し費用などはどうするんだ!
  • これまで費やした費用はどうするんだ!

とならないでしょうか?

この損害賠償額はいくらでしょうか?

もしも違約金が定められなかったら… (売主が違約の場合)

実務でよくある不動産の売買の事例を基に,「もしも売主が違約をしたら…」を記載します。

もし,あなたが買主だったらどのように主張しますか?

売主違約編:1億円の空き店舗の売買契約

4月1日:つぎのような内容で売買契約

  • 空き店舗の売買価格は1億円
  • 買主は手付金として1千万円を売主に交付
  • 5月31日に残代金9千万円を支払い,店舗は売主から買主に引き渡される約束
  • 買主はこの空き店舗は自分の商売を行うために購入するのであり,売買契約後に設備機器・什器の発注や工事業者との改装工事の契約を結ぶと伝えている

5月15日:買主は設備機器・什器の発注を行い,工事業者とも請負契約を行った。

5月31日:売主から売買契約をした店舗が引き渡しされない・・

(はたして,買主が被った損害はいくらになるのでしょうか・・)

買主の立場で考えた場合

  • 発注した設備機器・什器・工事代金などはどうするんだ!
  • 営業できない費用はどうするんだ!
  • これまで費やした費用はどうするんだ!

と,ならないでしょうか?

この損害賠償額はいくらになるのでしょうか?

違約金を定めておくとこのようになります

買主が違約の場合も売主が違約の場合も,不動産の売買契約の内容で違約金を定めておくと次のような図になります。

いかがでしょうか?

  • 不動産価格が上がっていく状況
  • 工事代金が上がっていく状況
  • 金利が上がっていく状況

いまのような状況の不動産の売買契約で,「違約金」を定めて「損害賠償額を予定しておく」ということは,売主買主お互いの身を守るということにはならないでしょうか。

立証責任という負担もない

(また,あまりないケースですが・・)

違約金を定めておけば,実際の違約時の損害賠償請求をする際の立証責任という負担もありません。

この点も大きいです。

「違約金の定めとは別で損害賠償を請求できる」と売買契約で約定した場合

ただし,注意するべきは売買契約書にこの文言があるときです。

この場合には,これまでの説明と異なり,定めた違約金とは別に損害賠償を請求できるのでご注意ください。

いろいろな種類の解除がるのを知っていますか?

ところで,不動産売買の場合,契約の解除については,原因によって複数の種類が用意されているということを知っていますか?

引渡し前にできる解除と引き渡しが終わってもできる解除

「引き渡しが終わった後は解除ができない」と思われている方は実務で多いのですが,売買契約の約定などにより,引き渡し後に契約の解除が可能な場合もあります。

 契約の約定に拠りますが,契約不適合責任による解除や反社条項による解除などは引渡し後にもできる解除として定められている場合が多くあります。

いろいろある売買契約の解除について

不動産の売買では,売買契約の約定や民法等の法で定められた各種の解除があります。

売買契約の解除の種類について

不動産売買契約の解除については,①売買契約の約定や②民法等の方で定められた解除などが複数あります。

  • 手付解除・・・買主は手付金を放棄・売主は手付金額を倍返しをして売買契約を一方的に「やめます」という解除。
  • 危険負担による解除・・・売買契約後に火災などで契約対象物件が滅失してしまった場合などの解除
  • 契約違反による解除・・・契約で定めた残代金支払い・引渡の約束期日に残代金の支払いがないあるいは引渡しをしない場合の解除。違約金の定めをする場合が多い。
  • 契約不適合責任による解除(旧瑕疵担保責任)・・・売買の対象物件に契約不適合があった場合の解除
  • 融資利用による解除(ローン特約)・・・買主が融資許可が得られなかった場合は契約を解除できる条項。
  • 開発行為などの停止条件解除・・・開発行為の許可が得られない場合は契約は解除になる場合などの条項。
  • 建築条件付き解除・・・売買契約後の指定期日以内に建築の請負契約を結ばない場合は契約が解除になる条項。
  • 合意解除(解除契約)・・・売主買主が合意により売買契約を解除する契約

大切な不動産の売買‥

売買契約の前には「解除にはいろいろな種類がある」ということを確認しておけば,安心が増します。

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