「東京」の人が「地方」の不動産を売却するときの注意点
相続や介護に伴う地方不動産の売却。思い出の家や別荘の売却でもやもやしないために。
東京在住の方が地方不動産を売却する時に直面する問題
今は東京にお住まいでも,お父様お母様の介護や相続に伴い,地方の不動産を売却する機会を得る場合があります。
昔は縁のあった地域であったとしても,現在住んでいない「地方の不動産を売却する」となると,いくつかの悩ましい問題に直面することが…。
東京在住の方が地方不動産を売却する時に直面する問題
1,相談する地元「不動産業者」がわからない
- FRKなどの大手の不動産仲介業者がない
- 地元との地縁も少ない・不動産売却に詳しそうな地元の知人もいない
- 地元の不動産業者の判断材料が少ない
2,地方でよくある「不動産の法規制や事情」がわからない
- 「市街化調整区域」「都市計画区域外」「農地」など,法規制がわからない
- 「水道」「排水」「道路」などライフラインやインフラの事情がわからない
- 情報や相場,そもそも売れるかもわからない(一括査定も反応がない)
3,売却に「費やせる時間や労力」が少ない
- 何度も現地に行く時間がない
- ネットで探せる情報も少なく,現地に行かないとわからないことが多い
思い出の実家や別荘が「…安く買いたたかれたのかなぁ」とならないために
思い出の詰まった実家や昔遊びに行った別荘。
売却が終わって落ち着いて考えると,「なんだか,安く買いたたかれたのかなぁ…」とならないために,東京にお住いの方が地方の不動産を売却する際の注意点をまとめました。
「地方」不動産を売却する時の悩みと対策
東京にお住まいの方が地方の不動産を売却する際に直面する問題点と対策を少し記載します。
1,相談する「不動産業者」がわからない問題
東京・名古屋・大阪など大都市圏あるいは一部の政令市と異なり,地方には大手の不動産仲介業者があまりありません。
したがって,お知り合いの不動産業者などがいない場合,その地域で「老舗の業者だな」「看板をよく目にするな」「大きな事業所だな」などを判断の中心に据え,相談する地元不動産業者を決めるという場合が多いのではないでしょうか?
しかし,上記のような「規模」「業歴」などの視点だけではなく,下記の視点も取り入れて相談する不動産業者を決めるのはいかがでしょうか?
視点1 不動産業者の「主な業務」に注目
不動産業者にはそれぞれ業務の特徴があります。
その地域で「老舗の業者だな」「看板をよく目にする」「大きな事業所だな」「ホームページがしっかりしているな」,この辺りの「規模」「業歴」は非常に大事なポイントです。
しかし,それ以上に「主な業務」が何かという点によって,取り扱う不動産の得手不得手があったりしますので,大変な注意が必要です。
不動産業者の「主な業務」に注目
- 主な業務は売買or賃貸?
- 仲介業が主な業務or土地開発・戸建分譲が主な業務?
- 不動産が主な業務or建築業(工務店など)が主な業務?
(以上のような主な業務は「社名」や「ホームページ」「広告」などで判断できると思います。)
視点2 自分の相談したい「不動産がどのタイプか?」を考える
次に,「ご自分が売却しようとしている不動産がどのタイプの不動産か?」を考えてみることも大切です。
売却しようとしている不動産は,更地ですか?一戸建ての住宅ですか?
ご自分が売却しようとする不動産がどのタイプか?
- 戸建住宅(まだ利用できる建物の状態)
- 戸建住宅(もう利用できないと思われる状態)
- 土地(近隣が利用されているなど需要がありそうな環境の土地)
- アパートや貸家
- 土地(少なく見積もっても需要が無さそうな土地)
- 農地
- 山林
- その他
(分類の定義などがあるわけではないのですが,まず,「ご自分の不動産がどのタイプに当てはまるか?」を考えてみてください。)
対策 「不動産業者の主な業務」と「不動産のタイプ」の組み合わせを考え,「ミスマッチ」を防ぐ!
実は,「不動産業者」と「不動産のタイプ」のミスマッチによって,「相談の話がかみ合わない」「売却が進まない」というケースは多々あります。
「不動産業者の主な業務」と「不動産のタイプ」の組み合わせ
- 「戸建住宅(まだ利用できる)」の依頼先・・・「売買の仲介を主な業務としている不動産業者」に相談するのが良いでしょう。(あるいは,場合によっては「賃貸の仲介を主な業務としている不動産業者」に相談してみるのもおもしろいかもしれません。賃貸運用後→売却など)
- 「土地(近隣が利用されているなど需要がありそうな土地)」で広いものであったりした場合・・・「売買の仲介を主な業務としている不動産業者」の他に,「土地開発・戸建分譲が主な業務としている不動産業者」に相談をしてみるのが良いでしょう。
2,地方「不動産固有の法規制や事情」がわからない問題
東京などの都市部の場合,不動産の購入・売却においてはお客様自ら情報収集や知識習得に熱心な方は多くいらっしゃいます。「マンションを購入するにあたって,せっかくだから宅地建物取引士の試験を受け合格した」というお客様は何度もお会いしています。
しかし,そのような方であっても,地方不動産の売却の際には,地方不動産固有の法規制,地方不動産固有のライフラインやインフラ事情,地方不動産の流通事情等の情報の少なさといった点では,悩ましい問題に直面することが多いようです。
「市街化調整区域」「農地」など,あまり耳にしない地方不動産の法規制
地元の不動産業者にご相談の際,「ここは市街化調整区域の不動産だから」「ここは農地だから」などのお話を聞くものの,都市部の不動産ではまず耳にしない地方の不動産固有の用語や規制と,その解説の少なさに戸惑うことがあるようです。
地方不動産でよくある法規制・用語の一例と結論まとめ
- 市街化調整区域・・・建物は原則建てられません。
- 都市計画区域外・・・建物は原則建てられます。
- 農地・・・売買できます。ただし,農地法所定の許可が得られれば。
※単純化してあります(加筆予定)。
水道や排水・道路などのライフラインやインフラ事情がわからない
売却をしようと思い地元の不動産業者さんに相談した際に,「ここは簡易水道だから」「この家は浄化槽ではないから」「この土地は隣の人が通っているから」など,説明を受けてもよくわからない事情を聴くことがあります。
地方不動産固有のライフラインやインフラの問題
- 水道・・・口径の小ささ,簡易水道,隣家から水道を引いているなど
- 排水・・・浄化槽,汲み取り,側溝に放流する,負担金があるなど
- 道路・・・接道していなくても建築OK,隣の人が長年通っているetc
※個別の解説予定
地方不動産の売却の情報や相場がわからない
これは当然です。
都内のマンションのように反復継続して売買取引がなされ,マンションごとに一年あたりの相場や情報が蓄積されている不動産とは異なり,地方の土地や建物は一つ一つ固有性があり,相場や取引の情報が極めて少ない不動産となります。
確認しておきたい地方不動産の売却の事情
- 「相続税路線価や固定資産税評価額>>>取引価額」・・・東京では極めて少なくても,地方ではよくあります。
- そもそも「路線価がない」ということもあります。
- 「相場が全く分からない」「あるいはこの地域は○万円のはず」・・・取引事例の少ないエリアの土地では相場は何割も上下します(etc.道路付きや広さ,地位など)。
- 「一括査定を依頼しても反応がない」・・・例えば戸建で東京23区の場合は1週間に十数件の連絡があるかもしれません。しかし,地方の場合は0件というケースはよくあります。
- 「地元不動産業者が売却や相談に乗ってくれない」・・・お預かりできない不動産もあります。
- 「売却するのにマイナスのため費用を支払って欲しいと言われた」・・・これもよくあります。売却価額ー管理費や解体・処分費ー販売費などが明らかな場合です。
今の東京の不動産のように需要が強く供給が少ない,「売り>>>買い」という図式ではないのが地方の不動産の図式ではないでしょうか。
3,売却にかけられる時間や労力が少ないという問題
東京にお住まいの方は「何度も現地に行けない」「現地を訪れた時は他の用事に追われ,役所や不動産業者を何社も訪れる時間がない」など,なかなか不動産の売却に専念できる時間や労力がないのが普通ではないでしょうか?
東京都や23区と異なり,不動産関係の情報がホームページでいつでも調べられる状態にあるという自治体は極めて少ないかもしれません。また,電話などで質問してみようにも,実際は少ない人員で回していて,なかなか話ができないという自治体も少なくありません。
地方不動産の売却について事前知識を入れられるサイト
地方不動産の売却について
※工事中
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