【自然公園法わかりやすく】風光明媚な地での宿泊施設・別荘建築は注意!

「…自然公園法?あなた誰ですか?ここは私の土地ですよ!」

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違反してから気が付く?「自然公園法」の規制

 いわゆるリゾート地の不動産で忘れがちな規制に「自然公園法」という法律があります。

 この「自然公園法」という法律調べている段階既に「なにがしかの違反行為をしてしまっている」という場合もあるので要注意です。

【要点まとめ】自然公園法について

ザっと確認するにはここだけお読みください。

 建物を建てたい場合は「特別地域」と聞いたら要注意! 
  • 原則何も建てられない(ほぼ無理)・・・特別保護地区第1種特別地域
  • 敷地面積・建蔽率容積率・高さなど厳しい規制がある許可制要注意)・・・第2種特別地域・第3種特別地域
  • 一定の基準を超えたら届出住宅程度は安心・用途や面積で注意)・・・普通地域

 ※ 第2種第3種と下るにつれて基準は緩やかになりますが,「特別地域」と聞いたら要注意!

 【 自分の土地でもまず確認! 】
  • 「特別地域」内と聞いたら何をするにもまず行政に確認
  • 木を切るだけでもダメな場合があるので行政によく確認
  • 広告にも規制がある場合があるので確認
  • 規制内容が地域によって異なるので必ず確認

自然公園法の区域内は「自分の土地」でも要注意!

たとえ自分の所有地であっても,自然公園法の区域内では規制が掛かっているのでご注意ください。

特に別荘地などを相続された方,お気を付けください!

自然公園法
風光明媚なところは注意が必要

【実例FAQ】自然公園法についてよくある質問

「自然公園法」について,不動産取引やご相談の中であったお話などをQ&A形式で記載します。

すべて実例です。参考にどうぞ。

工事業者さん

工事に入るにあたって,事前に木を切っといてやったぞ!

行政の人

そ,その土地は自然公園法の「第二種特別地域」・・・

購入を検討している不動産の物件概要に「自然公園法の規制がある」と書いてなかったのですが・・

よくあります・・。

このケースは,地元以外の不動産業者の方がその物件を取り扱っている場合に起きやすいかもしれません。

また,正直なところ,単純な記載漏れや誤記の場合もあるかと思います。

子供の頃から遊びに行っていた別荘を相続しました。なかなか来られないので売却しようと考えています。しかし,「自然公園法」という規制が掛かっているとは聞いていなかったのですが・・。

非常に多いケースです。

正直なところ,重要事項説明等の記載内容は格段に増え,整備されてきているので以前は調査されていなかったことも多くあるかもしれません・・。

自然公園法の規制があるかどうかはどのように確認したらよいですか?

都道府県庁「この土地は自然公園法か自然公園関係の都道府県条例が適用される地域ですか?」と確認されることをおすすめします。

もし,適用地域だった場合には「どのような区分の土地ですか?」とご確認ください

区分によって規制が異なります。

自然公園法の規制が適用される土地です。見晴らしをよくするために木を伐りたいのですが,何か問題はありますか?

特別保護地区・第一種特別地域・第二種特別地域については,木竹の伐採について許可が必要となります。

太陽光発電施設は作れないのですか?

環境省さんの国立公園内「太陽光発電施設」の審査に関するガイドラインなどをよくご確認ください。

「第二種特別地域」で建蔽率が20%容積率40%と言われたのですが,近隣の家はもっと建てこんでいる感じがするのですが?

一定の要件を満たした自宅などは,この建蔽率や容積率の制限の適用を受けません。

【詳しく解説】「自然公園法」と建築について

観光地などに行かれた際に「国定公園」「国立公園」などの文言を見かけたことはないでしょうか?

「自然公園法」・・・都市部の不動産取引ではほぼ関わることのないマイナーな法ですが,別荘やリゾート系の不動産を売買する際にはとても重要な法律です。

よく聞く観光地名は自然公園法に注意

まず,観光地の地名に注目してください。

関東近郊ならば,富士・箱根・伊豆・南房総・日光etcは可能性があります。

当てはまるようでしたら,都道府県庁に「この土地は自然公園法か自然公園関係の都道府県条例が適用される地域ですか?」と確認をされてください。

なお,自治体によっては,「自然公園法の指定区域内かどうか」が地図の精度等の問題で回答に時間がかかる場合もあると思います。

次に自然公園法の区分に注目

自然公園法の区域内の場合には,国の公園か都道府県の公園かなどの公園の種類は一度無視して,建物の建築などを行おうとしている土地が,どのような区分に該当しているかを確認してください。

この区分によって規制がまるっきり変わってきます。

◆特別地域

下記表のように4種類がありますが,建築等が視野に入ってくるのは第二種・第三種特別地域となります。

特別保護地区原生状態を保持許可制
(規制内容は地域で異なる)
第一種特別地域現在の景観を極力維持許可制
(規制内容は地域で異なる)
第二種特別地域農林漁業活動について努めて調整許可制
(規制内容は地域で異なる)
第三種特別地域通常の農林活動は容認許可制
(規制内容は地域で異なる)
  • 「第一種特別区域」と聞いたら,別荘など一般的な建築はまずもってできないと思ってください。「学術研究」などの特別な場合のみとなります。木竹を切るのも非常に厳しい規制があります。
  • 「第二種特別区域」についても,建築や土地の造成について非常に厳しい規制があります。木竹の伐採についても制限がある場合があります。
◆海域公園地区
海域公園地区海域の景観を維持
◆普通地域
普通地域風景の維持を図る届出制

普通地域ならば一定の基準を超えたら「届出」となります。

「自然公園法の第~種特別地域」と聞いたら要注意!

「第~種特別地域です」と聞いたら,一気に注意が必要となります。

具体的には,下記のような行為をする際には「このような行為をしようと思っているが,どのような手続きが必要か?」等をお尋ねください。

  • 宿泊施設を作る
  • 別荘を建てる
  • 木を伐採する
  • 分譲地を作る
  • 看板を建てる

以上のような行為は許可を得なければならない場合がありますので,無許可で行ってしまうと罰則もあるのでお気を付けください。

ご両親の別荘や土地などを相続した方,自然公園法にご注意ください。

ご両親などが以前に購入された観光地の別荘や美しい土地は,コロナ禍が終わり観光事業が再び脚光を浴びている今,もしかしたら「売却」や「活用」のチャンスかもしれません。

しかし,そのような不動産は自然公園法の規制がある地域である場合があります。

「売却」や「活用」の前にぜひとも自然公園法についてご確認ください。

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